根っこの先に膿の袋ができる?「根尖病巣(こんせんびょうそう)」とは
あけましておめでとうございます。院長の宮田です。
新しい年がスタートしました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末年始のお休み、
皆さんはどのようにお過ごしになりましたか?
この時期の風物詩といえば
「福袋」もそのひとつだと思います。
何が入っているかわからないドキドキ感や運試し、
価格以上の品物に出会えた時のお得感など、
福袋には楽しめる要素がたくさんありますね。
さて、今回のテーマは
同じ袋でもお口の健康にとってはマイナスの袋、
歯の根っこの先にできる「膿の袋」のお話です。
■こんな歯や歯ぐきの異常はありませんか?
「なんとなく歯が浮いた感じがする」
「食べものを噛むと痛い」
「歯ぐきにニキビのような膨らみ(腫れ)がある」
「歯ぐきに空いた穴から膿がでる」
最近、こんな症状が気になる方ことはございませんか?
もし当てはまる症状があれば、それは
「根尖病巣(こんせんびょうそう)」
という病気が原因かもしれません。
根尖病巣は、
歯の根っこ(歯根)の先に、
膿の袋ができる病気です。
「浮いた感じ」「鈍い痛み」など、
歯の違和感からはじまり、
膿の袋が大きくなると
歯ぐきの根元あたりが腫れることもあります。
腫れの多くは『ニキビ』や『おでき』のように、
丸くて境界がはっきりしているのが特徴です。
この膿の袋は、
歯の周りの骨を溶かしながら大きくなるため、
そのうち歯がグラグラ揺れてきて、
気づいたときには歯が残せなくなることも
少なくありません。
■「むし歯の放置」や「治療の中断」は要注意
根尖病巣ができる歯には、ある共通点があります。
それは、歯の神経がすでに死んでいる
「失活歯(しっかつし)」であることです。
より具体的な例を挙げると
・むし歯を長く放置している歯
・歯の根っこの治療(根管治療)を中断した歯
などが当てはまります。
いずれのケースも
放置している間に歯の内側で菌が繁殖し、
その菌が根っこの先に感染することで
膿の袋ができてしまいます。
ほかにも「歯の神経を抜く治療をした歯」や、
転倒などで強く打ったことをきっかけに、
「歯髄(神経)が損傷した歯」なども注意が必要です。
■わずかなサインも見逃さず早めの受診を!
根尖病巣の怖いところは、
初期のうちは自覚症状がなく、
知らず識らずのうちに
膿の袋が大きくなる点です。
これまでご紹介した症状も、
膿の袋がある程度大きくなってから
感じるようになります。
また、歯ぐきの違和感や腫れは
歯肉炎(歯ぐきの炎症)でもよく見られることから
「歯を磨けば治るだろう」
と自己判断してしまう方も少なくありません。
しかし、根尖病巣の症状は、
歯みがきなどで自然治癒することはありません。
それどころか、
放置して炎症があごの骨全体に広がると、
「歯槽骨炎(しそうこつえん)」や
「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」へと発展し、
顔全体や首のあたりまで腫れて
倦怠感や高熱などの全身症状を伴うようになります。
さらに重篤なケースでは
入院による手術が必要になったり、
「敗血症」を引き起こして
命が危険にさらされたりする恐れもあるため
注意が必要です。
わずかな違和感でも、
それはお口が発する異常のサイン。
歯や歯ぐきに異常を感じたら
皆さんの歯を守るためにも、
早めに歯科医院を受診してくださいね。
中央歯科医院
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